愛知県名古屋市栄の高山歯科室です。
今でこそ、サージカルガイドを使用することは普及してきましたが2000年頃日本では使用する方もいませんでした。
サージカルガイドとは、CTに撮影後シュミュレーションと同じ位置にインプラントをいける装置のことを言います。
2000年にガイド作成することもありませんでしたし、そもそもCT撮影を行う歯科は無かったと記憶しています。
今でもガイド無しでインプラント埋入を行う先生はいらっしゃると思います。
AAIDアメリカのインプラント学会で1990年後半に私はCTを使ったインプラント治療を始めて知りました、CTを撮影は出来ても
インプラント埋入シュミュレーションやガイド製作のためのアプリケーションが日本では無かったため、大変驚いたことを記憶
しています。
その後、高山歯科室でインプラントサージカルガイドを使った治療を行い始めたのは2000年からです。
最初はCTを撮影してもアプリケーションが無いため、私自身と技工士さんとで長さ、角度を計測してCT撮影時のステントを基
準としてアメリカで買ったガイドパーツを使用して自家製サージカルガイドを診療が終わってから作成していました、大変時間
がかかり苦労しました。
2002年からはSIM/PLANTと言うアプリケーションが日本で使えるようになり、その後LANDmaker , coDiagnostixの2種類の
シュミュレーションアプリケーションを使用しています。
2002年から現在に至るまでほぼ100%の症例でインプラントサージカルガイドを使用して治療を行っています。
ではサージカルガイドを使用することで得られるメリットを紹介します、デメリットは皆無といえます。
1.顎骨の形態(高さ、幅、形)を知ることが出来る。
2.事前にインプラントの種類、形態、長さを選択できる。
3.サイナス(上顎洞)、梨状孔、大口蓋孔、鼻口蓋管、下顎管、栄養管の位置を知ることが出来る。
4.サイナスリフト(上顎洞底挙上手術)のシュミュレーションが出来る。
5.骨造成手術のシュミュレーションが出来る。
6.骨密度を知り、骨の状態の改善、インプランの種類を選択できる。
7.特に前歯部で必要ですが、骨に対してのインプラント位置、角度のシュミュレーションを行い正確に再現する。
8.インプラントヒーリングスクリュー、アバットメント(上部構造)の選択。
9.イミディエイトローディング(抜歯即時)でのプロビジョナルレストレーション(仮の歯)の製作。
10.術前、CTデータにより顎骨模型を製作してチタンメッシュテクニックのためにチタンメッシュの加工。
11.審美や、インプラント周囲炎に関連して事前の粘膜形態、厚みの診断が出来る。
12.矯正治療と並行する治療を行う際のインプラント埋入のシュミュレーション。
以上の多くのメリットがあります。
最近注目しているのは、インプラント周囲炎を起こさないための数値化された研究データが出ているため、インプラントの埋
入位置、埋入深度、埋入角度、インプラントの直径の選択、インプラントアバットメントの選択に活用しています。
これらを考慮すると術後安定した経過を得られると確信しています。
顎骨、粘膜は様々であるため、より安全で、確実な手術、安定した予後には不可欠なものとなってきています。