名古屋市の栄にある、高山歯科室です。
歯と歯の間に隙間がある「すきっ歯」は見た目に大きく現れ、他人から受ける印象にも大きく影響を及ぼします。そして見た目だけではなく、咀嚼や発音、虫歯、歯周病といった機能面や口腔内環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、今回はすきっ歯について原因や治療方法をご紹介します。
■すきっ歯の治療方法3選
すきっ歯の治療方法は主に3つあります。
それは「矯正治療」「ラミネートベニア」「ダイレクトボンディング」です。
治療方法によってメリット、デメリットがそれぞれあるため、どの治療を選択するかはすきっ歯の状況と患者さんの要望次第で変わってきます。
しっかりと検査をした上で歯科医師と相談し、一人ひとりに合った治療を選択することが重要です。
・矯正治療
矯正では歯並びを整えることですきっ歯の間隔を調整し解消します。また、状況によっては部分的な矯正で治療が行えることもあります。
矯正によるすきっ歯の治療はメリットは多いものの、費用や期間がかかってしまうことが患者さんからするとデメリットになるかと思います。
・ラミネートベニア
ラミネートベニアは歯の表面を薄く削ってセラミックを貼り付ける治療法です。イメージとしてはつけ爪をするような感じです。
矯正に比べて費用が抑えられ、期間もかからないためメリットはありますが、天然の歯を削ったり、まれに剥がれてしまうなどのデメリットがあります。
・ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングはコンポジェットレジンという樹脂を歯の表面に貼り付けて歯の隙間を綺麗に埋める治療になります。歯を削ることはほとんどなく、費用も期間も抑えられますが、樹脂が着色しやすい、ラミネートベニアより剥がれやすいといったデメリットがあります。
■すきっ歯を放置するとどんなリスクがある?
すきっ歯を放置することで様々なトラブルの可能性があります。特に前歯だと患者さんからすると見た目が気になり、顔に与える印象も大きくなりますが、見た目以外にも口腔内環境にリスクを招く可能性もあります。
詳しく見ていきましょう。
1、虫歯、歯周病、口臭
歯と歯の間の隙間が大きいと、食べかすが詰まりやすくなり汚れが蓄積されます。
しっかりブラッシングが行われないと虫歯、歯周病、口臭の原因になることがあります。
2、隣接歯の変位
すきっ歯が進行することで、隣接する隣の歯が斜めに倒れたり、移動したりする可能性があります。この場合、治療を行わず放置することでさらに大きな問題に発展することもあります。
3、咀嚼の困難
歯と歯の間に隙間があることで、食物を咀嚼することが難しくなる可能性があります。十分な咀嚼がでなければ、栄養バランスが悪くなります。
4、発音障害
歯と歯の隙間から発音時に息が漏れることで発音が悪くなることがあります。
5、間違った噛み合わせ
すきっ歯が原因で、上下の歯の噛み合わせが乱れることがあります。放置して進行すると、頭痛や咀嚼筋の疲労、顎関節症など様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
■そもそもなぜすきっ歯ができる?
すきっ歯の原因には先天性のものと後天性のものがあります。
詳しく見ていきましょう。
(先天性)
1、歯自体の大きさや顎の大きさの問題
遺伝的に歯が小さかったりする場合は歯と歯に隙間ができやすくなります。
もし歯がそこまで小さくなかったとしても顎が大きく、顎と歯のサイズでバランスが悪い場合はすきっ歯になる可能性があります。
【※子供の頃は永久歯が生えてくるスペースを確保するために隙間が空いていることがほとんどです。永久歯に生えかわるにつれて徐々に隙間は埋まっていきます。】
2、上唇小帯の付着異常
上唇小帯は上唇の裏側の中心から前歯の歯茎につながる靭帯のことです。
上唇小帯の太さや、歯茎に付着する位置には個人差があり、太かったり、付着する位置が歯の根元まで伸びていると前歯の間に隙間ができやすくなります。
将来的に歯並びに悪影響を及ぼす可能性があるような上唇小帯は、切除を行う場合もあります。
3、歯の本数異常
稀に通常よりも歯の本数が少ない場合があります。この場合はすきっ歯になりやすい傾向にあり、生えてくるはずの歯が顎の骨などに埋まっている場合もその分スペースが空き、すきっ歯になりやすと言えます。
逆に通常よりも歯が多い場合もあり、過剰歯が上前歯の位置にあると前歯が押されることで隙間ができる可能性もあります。
(後天性)
1、癖
癖で前歯の裏を舌で押したり、唇を噛む癖がある方はすきっ歯になる可能性があります。
日常的に上記のような癖を繰り返していると前歯が徐々に前に押し出され、歯と歯の間に隙間ができやすくなります。
また、指しゃぶりやおしゃぶりでも同じことが起こる場合があるため、指しゃぶりを長く続けさせることは避けるようにしましょう。
2、歯ぎしり
歯ぎしりによって歯に強い圧力がかかると、歯に大きな負担をかけてしまい、歯茎にダメージが蓄積されます。その結果歯がぐらつき、すきっ歯になる可能性があります。
歯ぎしりは寝ている間にも行なっている場合があるので注意が必要です。
3、抜歯
矯正治療を行う上で抜歯が必要になることはよくあります。抜歯矯正は歯をきれいに並べるスペースを確保するために行いますが、矯正治療後に保定が正しく行えていなかったり、何らかの原因で後戻りが起こるとすきっ歯になる場合があります。
■まとめ
いかがだったでしょうか?
すきっ歯は見た目以外にも様々なリスクがあることが分かったと思います。
治療方法は原因やすきっ歯の状況、患者さんの希望によっても異なるため、一人で悩まず、まずは歯科医院に相談しましょう。