名古屋市の栄にある、高山歯科室です。
矯正治療において、抜歯が必要になるケースは多くあります。
しかし、患者さんの中には極力抜歯は行わずに矯正をしたいと言う声が多いように思います。
そこで今回は、なぜ矯正で抜歯が必要になるか?抜歯を行わず無理に矯正を進めるとどうなるのかご紹介していきます。
▪️なぜ矯正で抜歯が必要になる?
歯並びが悪くなる原因でもっとも多い原因は何かご存知でしょうか?
歯がまっすく生えてこないことが根本的な原因と思われている方も少なくないと思いますが、実は顎の骨格が小さく、歯が顎に収まりきらずにいろんな方向に押し出されて生えてくることで歯並びが乱れます。
これが歯並びが悪くなるもっとも多い原因です。
お子様の場合は顎の骨が成長しきっていない状態なので、拡大床などの装置を使って顎の骨を広げる治療が行えますが、大人の場合はすでに成長しきっている顎を広げることは難しく、そのまま矯正治療を行なっても元々スペースがないため、正しい位置に動かすことができず、綺麗な歯並びにできません。
そのため、抜歯を行い、歯を綺麗に並べるためのスペースを確保する必要があるので、成人矯正において抜歯を行うことが多くあります。
【※顎の骨の大きさ以外では、親知らずが斜めに生えていて歯列を乱している場合は親知らずの抜歯が必要になったり、上下の顎がズレていて噛み合わせが悪い場合は抜歯矯正で噛み合わせを改善できることもあります。】
▪️もし無理に非抜歯矯正を進めるとどうなる?
無理に非抜歯矯正を進めると、様々なトラブルに陥ることが考えられます。
元々歯が並ぶスペース不足がある中で無理に矯正を行うと、前歯が前に押し出され、出っ歯になり口元のシルエットにも大きく影響を与える可能性があります。
また、無理な歯列拡大で歯が外側に倒れると、歯が並んだとしても噛み合わせや横顔のバランスが崩れることもあります。
歯並びを綺麗にしようとして、容姿の見た目が崩れては患者さんからすると本末転倒なのではないでしょうか?
そして、矯正治療後は後戻りに注意する必要がありますが、元々スペースがなく、歯と歯がきつきつな状態になっているので、後戻りが生じやすくなります。
正直お伝えして、非抜歯で無理に進めるメリットがないのは明白です。
▪️どんな歯並びだと非抜歯で矯正治療が行える?
矯正治療は必ず抜歯が必要というわけではありません。
お伝えした通り、顎の骨格が狭くなければ抜歯を行わず問題なく矯正治療が行えます。
具体的には、歯並びが多少乱れているだけで、凹凸が比較的小さい場合は顎のスペース的に問題なく非抜歯矯正が行える場合があります。
また、すきっ歯などの歯と歯の隙間があるようなケースでは余分なスペースが確保されているため、その空間を利用して抜歯を行わず治療が行えます。
▪️抜歯矯正は口元が引っ込み過ぎる可能性がある?
抜歯矯正後に口元が引っ込み過ぎたり、下がり過ぎたと後悔された声をたまに耳にします。ネットなどで調べたりすると、このような記事が多く見受けられますが必ずしも口元が引っ込み過ぎるとゆうことではありません。
これは抜歯の必要がないのに抜歯矯正を行なったり、治療計画の見込み違い、Eラインを意識し過ぎて計画通りいかなかったりと矯正治療経験が未熟な歯科医院で起こりやすく、精密な検査がしっかり行われていないといった、実績や経験、技術力、取り揃えている治療機器によるものが大きいと言えます。
矯正治療を行う全ての歯科医院が経験豊富なスペシャリストとは限りません。安易に治療費が安い、家から近いといった理由で選ばず、信頼できる先生なのか、経験は豊富かなどしっかり見極めて歯科医院を選ぶようにしましょう。
▪️まとめ
いかがだったでしょうか?
矯正においての抜歯の必要性を理解頂けたのではないでしょうか?
一つ知っておいて欲しいのは、お子様の場合は顎の骨格が小さくても抜歯を必要としないということです。
もし、お子様の歯並びが気になっている方は早めに歯科医院に相談しましょう。将来顎の成長が止まってから矯正を行うと抜歯が必要になるケースが多いのが事実です。
もっと早く相談に行けばよかったと後悔されている親御さんも多くいらっしゃいます。
このブログを通じて、患者さん自身が矯正における抜歯の必要性を理解し、最善最良の選択ができれば幸いに思います。