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食いしばりを放置すると?

名古屋市の栄にある、高山歯科室です。

突然ですが皆さんは食いしばりを経験したことはありますか?

実は食いしばり癖がある人は意外と多く、自覚していない人もいます。その割合は日本人で70%以上、しかも無意識に行なっているとも言われています。

食いしばりは顎だけではなく体全体へ悪影響を及ぼす危険があるため、原因や症状など詳しく紹介していきます。

 

食いしばりについて


食いしばりは、歯を強く噛みしめたまま口を閉じた状態を言い、不安やストレスによって発生することが多い症状です。

自覚がなく、気づかないことが多いため、多くの人が患っていると言われています。特に寝ている間で無意識に行なっていることが多く、睡眠時の食いしばりは食事中の3倍以上の力がかかっているとも言われています。起床時に頭痛や口の疲れを感じるが場合は食いしばりが原因である可能性があり、長期にわたって食いしばりを行なっていると、場合によっては歯や顎の関節などにダメージを与え、噛み合わせの乱れや歯の欠損を引き起こすことがあります。

 

■食いしばりの原因は何?


食いしばりの原因は様々あります。

その中には、ストレス・不安障害・歯並びや噛みや合わせの悪さ・疲れ・神経質な性格・睡眠障害・癖と多岐にわたります。

その中でも多い原因はストレスや緊張によるものと言われており、ストレスで交換神経が優位に働き、口周りの筋肉が緊張状態になることで、食いしばり状態になりやすい傾向にあります。

 

■引き起こされる様々な症状


顎や歯以外にも体全体に症状が現れることはお伝えしましたが、自覚症状がなく気付きにくいため、下記の症状にあてはまる方は1度食いしばりを疑ってみましょう。

 

①歯や歯肉、顎に影響

食いしばりによって、日常的に強い圧力がかかることで知覚過敏や、歯肉が下がったり、歯列が悪くなる、顎関節症や歯に痛みを感じることもあります。

最悪の場合、強い圧力が集中したときに歯が破損する可能性もあります。

 

②頭痛・肩こり

食いしばりを行うことで口周りの筋肉が動きます。その中でも側頭筋という筋肉が強く作用され、その影響で側頭筋が疲労し頭痛を引き起こすと言われています。

また、肩こりに関与している肩甲舌骨筋という筋肉は肩甲骨とくっついており、食いしばることで舌骨は上に引っ張られ肩甲舌骨筋も同時に動くため、疲労して肩こりが起こります。

 

③顎の関節痛

上下の顎の間には関節円板という軟骨を挟んでおり、この関節円板があることで顎の動きがスムーズに行われています。

しかし、食いしばりによって関節円板に大きく負担をかけてしまうと、本来の位置から徐々にずれていき、上下の顎の骨が直接接触するようになってしまうと顎に痛みが出たり、口が開きにくくなる、顎がカックンっと音を鳴らしたりします。

 

④耳鳴りやめまいが起こる

これは顎の関節痛の延長で起こる可能性がある症状です。

上下の顎が直接接触する部分の上顎面には関節窩があり、関節窩は内耳神経という耳につかさどる神経が通っています。

そこに負担がかかると耳鳴りやめまいといった症状が引き起こされる可能性があります。

 

⑤目疲れ

耳鳴りやめまいの原因と同様で、内耳神経に負担をかけてしまうとその他の様々な神経までにも影響を及ぼします。

神経の支配関係は複雑なため説明は省きますが、中には目に関係する神経も関わっており、目が疲れやすくなることが分かってます。

 

⑥腰痛

顎の関節痛でもお話しした関節円板のずれで顎の位置はずれていきますが、顎の位置がずれることで舌骨もずれます。

舌骨がずれると、舌骨に繋がる筋肉がずれ、さらに頭の位置、背骨の位置とずれていき、最終的には腰のずれにつながることで腰痛となります。

 

■食いしばりはどう防ぐ?


食いしばりを防ぐ具体的な方法3選

 

①緊張をほぐすストレッチ

食いしばりは無意識に筋肉が緊張することが原因の一つです。

緊張をほぐすストレッチを行うことで改善することがあります。

首や肩、腰の筋肉をほぐすストレッチを行なってみましょう。

また、腹式呼吸などの気持ちを落ち着かせる自律訓練法を試してみるのも良いと言われています。

 

②上下の歯の接触を意識する

人が上下の歯を接触させている時間は1日に20分程度と言われています。食いしばりがある人は上下の歯が長時間接触状態にある傾向があり、その分歯や顎、体全体にダメージを与えてしまっています。

唇を閉じた際には上下の歯が接触しないよう日々意識しましょう。

 

③スプリントやマウスピースの着用する

ご自身の歯型に合わせて作成したスプリントやマウスピースを着用して食いしばりを抑える方法があります。

スプリントは就寝中に着用するもので、食いしばりの治療には主に昼間でも使用可能なマウスピースを装着することがほとんどです。

両方とも歯科医院で製作することが可能です。

 

■食いしばりにマウスピースは逆効果?デメリットもある?


食いしばりにマウスピースは逆効果という情報がネットなどで出ているようですが、可能性があるという研究結果は出ているものの、まだ詳しくは分かっていないのが事実です。

現段階では柔らかいマウスピースをつけて眠ると逆に食いしばる力が強くなるという報告がいくつかある程度です。

また、マウスピースによるデメリットでは、コストがかかる、慣れるまでに時間がかかる、歯を覆う範囲が大きくなることで唾液の循環が低下し、虫歯のリスクが高まる可能性などがあります。

そのため、食いしばりでマウスピースを使用する場合は、歯科医院で定期的なメンテナンスを行う必要があります。