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癒合歯(ゆごうし)って?検診で指摘されたけど大丈夫?

名古屋市インプラントクリニック高山歯科室です。

みなさんは癒合歯をご存知ですか?

近年、お子様の治療や検診を行なっているとちらほら癒合歯の方を見かけます。

癒合歯自体聞き慣れず、あまり知らない方も多いと思います。

ここで今回は癒合歯について詳しくご紹介していきたいと思います。

 

癒合歯とは?

癒合歯とは別々で生えてくるはずの2本の歯がくっ付いた状態で1本として生えてくることを指します。

乳歯でも永久歯でも共に見られますが、乳歯の方が発生することが多く、稀に複数箇所できる場合もあります。

また、癒合歯が発生した場合に癒合歯を1本の歯と数えると全体の歯の本数は通常より少なくなります。

 

癒合歯と癒着歯は別物!

癒合歯と似た名称で癒着歯と言われる症状がありますが、これは別物で、主な違いは歯の表層、セメント質だけくっ付いているか表層だけでなく、象歯質・歯髄までくっ付いているかの違いで名称が分かれます。

 

・癒合歯

 歯の表層のセメント質含め、象歯質・歯髄までくっ付いた状態

 

・癒着歯

 歯の表層のセメント質のみくっついた状態

 

癒合歯が発生してしまう原因は?

結論からお伝えしてしまうと、実はいまだに原因がはっきりわかっていません。

胎児期の歯胚が作られる過程で隣の歯胚とくっ付いてしまうことが要因と言われており、一説では母体の遺伝や健康状態が原因ではないかとの見解もあります。

ただし、特にそういった原因がない場合でも癒合歯が発生するケースが見つかっており、実際には明確な答えは現代でも分かっていないのが現状です。

 

そのまま放置しても大丈夫?

癒合歯だったとしてもそれが原因で歯そのものに何らかのトラブルが起こることはありません。

しかし、次のようなトラブルが起こる可能性を高めてしまいます。

 

・生え変わり時期にトラブル

永久歯への生え変わりは、永久歯が上がってくる過程で乳歯の歯根が吸収され、徐々に乳歯が揺れ、自然と抜け落ちて生え変わります。

しかし、癒合歯の場合は2本がくっ付いた状態のため、通常より歯根が上手く吸収されず、自然には抜け落ちない場合があります。

この場合は状況に応じて抜歯が必要になることもあります。

 

・虫歯

癒合歯の場合、歯と歯がくっ付いている部分が凹んで溝になっています。

そのため通常の歯に比べてその溝に汚れやプラークが溜まりやすくなってしまい、特に裏側は見えない上に溝が深くなる傾向にあるため、虫歯へのリスクが必然的に高まります。

 

・永久歯の本数

あまり知られていませんが、永久歯はすでに生えている乳歯の存在を確認してから形成されます。

そのため、癒合歯のように1本に連結された歯の場合では乳歯が1本とみなされ、永久歯は1本しか形成されず通常よりも1本減った状態で生え変わってしまう可能性があります。

癒合歯が必ず一本とみなされると言うわけではないようで、その確率は50%程度と研究発表がされています。

 

・歯並び

2本が1本にくっついているとは言え癒合歯は歯2本分の大きさがあるわけではありません。

癒合歯である乳歯が生え変わった際に、永久歯が2本生えてきた場合は生えてくるスペースが狭く圧迫されててしまい歯が綺麗に並ばない可能性があります。

 

癒合歯の治療方法

癒合歯の治療で行う処置としては、結合部分が凹んで汚れやプラークが付着しやすくなっているので、定期的にフッ素塗布を行います。

もしも凹みの溝が深い場合はシーラントと言われる溝を埋める処置を行います。

これらは主に虫歯予防のために行われます。

しかし、虫歯予防だけでは生え変わり時や歯並びへの悪影響は回避できません。

そのため、ある程度の年齢になれば生え変わりに備えて歯科医院に相談し、レントゲンで状況を確認してもらいましょう。

そしてその状況によってどうするべきかを歯科医師と相談しましょう。

 

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