名古屋インプラントクリニック高山歯科室です。
意外かもしれませんが、日本人における食いしばり率は70%とも言われており、自覚している人は15%程度しかいないとされています。
そこで今回は、食いしばりについて色々ご紹介していきたいと思います。
■食いしばりって?

食いしばりは、歯を強く噛みしめたまま口を閉じた状態のことを言い、ストレスや不安によって発生することが多い症状です。
日常生活では気づきにくく、気づかないまま食いしばりを行っている方が多く存在します。
特に睡眠中に無意識で行っている人が多く、睡眠中の食いしばりは食事中の噛む力の3倍以上の力がかかっていると言われています。
起床時に頭痛や口の疲れを感じたことのある方は食いしばりが原因である可能性があります。
長期にわたる食いしばりは様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
■食いしばりだとどうなる?

食いしばりによるリスクは様々あり、顎や歯以外にも体全体に症状が現れることもあります。
自覚症状がない方も多いため、下記の症状にあてはまる方は一度食いしばりを疑った方がいいかも知れません。
①歯や口周りに悪影響
食いしばりで歯に強い圧力が集中してしまうと歯が破損する可能性があります。
破損以外にも長期間強い圧力をかけ続けることで知覚過敏や歯肉が下がる、歯並びが悪くなったり、顎関節症や歯に痛みが生じる場合があります。
②頭痛を引き起こす
食いしばると口周りの筋肉が動きますが、その中でも側頭筋という筋肉が強く作用します。
その影響で側頭筋が疲労してしまい頭痛を引き起こすと言われています。
③肩こりに繋がる
顎の下にある舌骨は筋肉に支えられ宙に浮いた骨です。
肩こりに関与している肩甲舌骨筋という筋肉は肩甲骨とくっついており、食いしばりを行うことで舌骨は上に引っ張られ肩甲舌骨筋も同時に動くため、肩の疲労に繋がります。
④顎の関節痛を引き起こす
上顎と下顎の間には関節円板と言われる軟骨を挟んでいます。
この関節円板によって顎の動きがスムーズに行われていますが、食いしばりで関節円板に大きく負担をかけてしまうと本来の位置から徐々にずれていきます。
ズレると上下の顎の骨が直接接触する可能性があり、顎が痛くなり、口が開けにくくなったり、口を開ける度に「カクン」っと音が鳴ったりします。
⑤耳鳴り、めまい、目疲れを引き起こす
耳鳴りやめまいは顎の関節痛の延長で起こる可能性のある症状です。
上下の顎が直接接触する部分の上顎面には関節窩があります。
関節窩は内耳神経が走っており、そこに負担がかかることで耳鳴りやめまいなどの症状が引き起こされます。
また、内耳神経に負担をかけることでその他の様々な神経にも影響を及ぼし、その中には目に関係する神経も含まれています。
それが原因で目が疲れやすくなる場合もあります。
⑥腰痛を引き起こす
顎の関節痛でも話した関節円板のズレが起こると必然的に顎の位置もずれていきます。
顎の位置がズレると舌骨がズレ、舌骨がズレることで舌骨に繋がっている筋肉がズレ、さらに頭の位置ズレ、背骨の位置ズレと連鎖していき、最終的には腰のズレへとつながり腰痛を引き起こす可能性があります。
⑦睡眠に影響を与える
食いしばりによって深い睡眠の妨げになることがあり、日中いつも眠かったり、寝起きが辛いなど睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。
■食いしばりの原因

食いしばりには様々な原因が考えられます。
ストレス、歯並び、噛みや合わせの問題、疲れ、神経質な性格、不安障害、睡眠障害、癖など多岐にわたります。
中でも多い原因はストレスや緊張によるものと言われています。
ストレスを感じると、交感神経が優位に働き口周りの筋肉が緊張状態になり、食いしばり状態に陥る傾向があります。
■食いしばりを治す方法

食いしばりを防ぐ方法は3つあります。それぞれ紹介していきます。
①ストレッチで体の緊張をほぐす
食いしばりは筋肉が緊張することが主な原因のため、緊張をほぐすストレッチをすれば改善する可能性があります。
首や肩、腰の筋肉をほぐすストレッチを行うと良いと言われ、腹式呼吸などの気持ちを落ち着かせる自律訓練法も有効と言われています。
②意識して上下の歯を接触させないよう注意
実は人が1日に上下の歯が接触させている時間は20分程度と言われています。
歯列接触癖と言っての常に接触させていると思った方は意識して触れないようにしましょう。
口を閉じたときに上下の歯が接触しないよう日々意識できるようになれば体への負担も軽減できます。
③スプリントやマウスピースの着用
歯科医院に相談して自身の歯型に合わせて作られたスプリントやマウスピースを着用し、食いしばりを抑える方法です。
主にスプリントは就寝中に着用する物で、昼間でも装着できるのはマウスピースになります。
■食いしばりにマウスピースは逆効果では?

ネットやSNSなどで食いしばりにマウスピースは逆効果という情報が出ているようです。
柔らかいマウスピースをつけて眠ると逆に食いしばる力が強くなると言った意見や、歯を覆う範囲が大きくなることで唾液の循環が低下し、虫歯のリスクが高まるなどの声があります。
しかし現状可能性があるという研究結果は出ているもののまだ詳しくは分かっていません。
どちらにしても食いしばりを放置するほうがリスクが大きいと言えるので、食いしばりかもと思った方は早めに歯科医院に相談するようにしましょう。
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