名古屋市栄にある、高山歯科室です。
皆さんはフッ素塗布やフッ素配合の歯磨き粉などで虫歯予防を行なっていますか?
意外にもフッ素は危険と避けている方は多いのではないでしょうか?
近年インターネット、SNSなどで「フッ素=危険」と紹介されているのを目にします。そのため、フッ素を避けている方が増えているのではないでしょうか?
そこで今回は虫歯予防に使用されるフッ素は本当に危険なのか?危険と思われているのはなぜなのかご紹介していきます。
▪️フッ素は危険なの?
実は元素のフッ素自体は猛毒で、とても危険です。
フッ素の粉末は薬事法上、劇薬に該当されています。
しかし、フッ素は単体元素を酸化し、すぐにフッ化物を作ります。
そのため、猛毒である元素のフッ素単体ではほとんどの場合存在していないのが事実です。
そのように聞くと虫歯予防であってもフッ素を使用するのは危険では?と思われるかもしれませんが、歯科医院や歯磨き粉に使用されるフッ素はフッ化ナトリウムのことであり、単体元素のフッ素ではなくフッ化物です。
虫歯予防で行われるフッ素塗布や、フッ素配合の歯磨き粉などはフッ化物であり、濃度なども正く扱われているため、全く心配する必要はありません。
▪️フッ素中毒については大丈夫?
虫歯予防に使用されるフッ素で中毒症状を起こす可能性は0ではありません。
しかし、正く使用されていれば心配する必要はなく、そもそも歯磨き粉で言ってもフッ素の濃度的に歯磨き粉を意図的に大量に飲むなどしない限りは中毒を起こすことはありません。
(※心配ないからと言っても、必ず適量を適切に使用することは守りましょう)
理解いただきたいのは、どんな物でも摂り過ぎは良くないと言うことです。確かに、中毒の可能性があるなら使用しない方が良いと考える方もいるかと思いますが、処方される薬も摂り過ぎれば毒、水でさえ摂り過ぎれば中毒症状を引き起こします。
▪️もしもフッ素中毒になった場合どの様な症状がある?
中毒症状としては急性中毒場合は吐き気、嘔吐、胃部の不快感、下痢、腹痛、痙攣などの症状がみられ、慢性中毒の場合は歯のフッ素症と言われるものがあり、顎の骨の中で歯が生成されている段階で過剰摂取することにより、エナメル質の形成障害や石灰化不全と言った異常がみられるようになります。
しかし、お伝えしたとおり、意図的に大量に飲むなどしない限りは中毒症状を起こすことはないので過剰に心配する必要はありません。
(※中毒症状の発現量は2~4mg /kgと言われており、2~4mg /kgとは分かりやすくお伝えすると、4~5歳のお子様が子供用フッ素配合歯磨き粉を丸々一本飲むといったイメージになります)
▪️海外ではフッ素禁止って本当?
「フッ素=虫歯予防」と言うイメージが強いなか、“ヨーロッパやアメリカなど海外ではフッ素が禁止”という情報が出ていて勘違いされがちですが、禁止のフッ素は、虫歯予防に使用されるフッ化物ではなく、PFAS(ピーファス)と言われる有機フッ素化合物のことです。有機フッ素化合物に関しては世界中で禁止や規制が行われているのが事実です。
虫歯予防に使用されるのは無機フッ素化合物になるので、有機フッ素化合物とは全く別物となっています。
ヨーロッパやアメリカなどでもフッ素の全てが禁止というわけではなく、歯科医院でのフッ素塗布や歯磨き粉への配合は使用されています。
▪️まとめ
確かに「虫歯予防=フッ素」というイメージがある中、ネットなどで禁止と出ていれば心配になる方も多いかもしれません。
そして中毒症状の可能性もあると聞くと余計不安になる事でしょう。
しかし、虫歯予防にフッ素は効果が高く、世界中で一般的に使用されています。
それでも抵抗のある方は必要以上に進めることはしませんが、危険というイメージだけでフッ素を避けるのではなく、フッ素を使用しないデメリットについても理解した上で判断するようにしましょう。