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全顎的なインプラント治療で「噛む力」をしっかり回復



以前のブログ記事にて、歯周病で多くの歯を失った場合におすすめのオールオンフォー、インプラントオーバーデンチャーについてご紹介をさせていただきました。


記事をお読みになった患者様からご反響をいただいたのですが、中には「保険の総入れ歯はダメなのか」というご質問も。


保険の総入れ歯がダメ、ということはありません。保険の総入れ歯でも噛む力を補うことは可能です。しかし、保険の総入れ歯と比べ、オールオンフォーやインプラントオーバーデンチャーの方が噛む力の回復率が高く、よりしっかりと食べ物を噛みやすくなるメリットがあります。


■多くの歯を失った場合に全顎的なインプラント治療(オールオンフォー、インプラントオーバーデンチャー)がおすすめな理由


①噛む力の回復率が高い


天然の歯の噛む力を100とした場合、インプラントは噛む力を80~90%程度回復可能です(※)。


(※)噛む力の回復率は患者様や症状によって異なります。

上記以下の回復率になるケースもあります。


入れ歯は30~50%程度の回復率となります。特に総入れ歯は顎や歯ぐきの粘膜のみで義歯を支える構造のため、硬い物を噛みづらい、しっかり噛めないなど、噛みにくさを感じるケースが少なくありません。


②安定性が高く、人工歯がずれたり外れる心配がほとんどない


オールオンフォーは片顎につき4本のインプラントで連結した人工歯ブリッジをネジ固定します。インプラントオーバーデンチャーは片顎につき2~4本のインプラントに取り外し式の総入れ歯を装着します。


どちらも人工歯や総入れ歯をインプラントに固定/接続するため、顎や歯ぐきの粘膜のみで支える保険の総入れ歯と比べて非常に安定性が高いです。オールオンフォーやインプラントオーバーデンチャーでは使用中に人工歯や総入れ歯がずれたり外れる心配はまずありません。


保険の総入れ歯は顎や歯ぐきの粘膜のみで義歯を支えます。固定されていないため、使用中に義歯がずれたり外れることが少なくありません。保険の総入れ歯の場合、義歯がずれたり外れるのを心配するあまり、人付き合いを避ける、おしゃべりや食事の際に手で口元を隠すなど、社交面で消極的になってしまうケースもあります。


■噛む力と健康寿命の深い関係


◎健康寿命とは

世界一、平均寿命が長い国として知られる日本。しかし、大切なのは生命寿命よりも健康寿命です。


健康寿命とは、「可能な限り、自分でできることは自力で行える」年齢を指します。食事や排せつ、身の回りのことなどで人の手を借りず、自分でできることは自力で行える年齢が健康寿命です。


生命寿命が延びたとしても、介護が必要になると健康寿命は短くなります。健康寿命が短くなるとご自身でできることが少なくなり、生活の質(Quality of Life:QOL)が低下していきます。


◎噛む力が低下すると健康寿命が短くなりやすい

噛む力が低下すると以下のような悪影響が発生するリスクが高まります。悪影響によってお口や全身の健康が悪化し、健康寿命が短くなることも。


<噛む力の低下によってひき起こされる可能性がある悪影響>


1.炭水化物を中心にやわらかい物ばかり食べがちになり、栄養バランスの乱れやカロリーの摂り過ぎを起こしやすくなる

2.やわらかい物ばかり食べることで噛む力が低下すると共に、連動するのど周りの筋肉が衰えて飲む機能も低下しやすくなる

3.飲む機能が低下することで誤嚥性肺炎など命にかかわる疾患をひき起こしやすくなる

4.噛む力が低下し噛んだときの刺激が減ることで脳への血流が少なくなり、認知症を発症しやすくなる(※)


(※)「歯科から考える認知症予防への貢献」神奈川大学

大学院 山本龍生教授(2017年)より引用。


◎噛む力を保ちつづけることが健康寿命の延伸につながる

噛む力と健康寿命には深い関係があります。


生きることの基本は食事です。年齢を重ねてもしっかり噛める歯があれば肉・魚・野菜などさまざまな食材からバランス良く栄養を摂取でき、全身の健康を保ちやすくなります。また、よく噛むことで誤嚥性肺炎や認知症のリスクも軽減され、健康寿命の延伸につながります。


噛む力の改善に加え、お口の見た目も重要です。インプラント(オールオンフォー、インプラントオーバーデンチャー)により安定性が高く綺麗な歯を手に入れることで口元のコンプレックスの解消につながります。口元に自信を持つことで趣味、レジャーなどのアクティビティや人付き合いなど、さまざまな場面で社交的・積極的になる効果を期待できます。


【噛む力を改善して健康寿命を延ばし、人生を楽しみましょう】


歯周病などが原因で多くの歯を失った場合、保険の総入れ歯でも歯を補えます。ただし、保険の総入れ歯は取り外し式で安定性が低いため食べ物をしっかり噛めなかったり、患者様によっては使用中の違和感が強く出てしまうことも(※)。


(※)保険の総入れ歯すべてがダメな訳ではありません。大きな問題なく、

保険の総入れ歯を使用できているケースももちろんあります。


安定性が高い人工歯をご希望の方は少ない本数のインプラントで人工歯を固定するオールオンフォー、または、インプラントに取り外し可能な総入れ歯を装着するインプラントオーバーデンチャーがおすすめです。


オールオンフォーやインプラントオーバーデンチャーにすることで安定性が高い人工歯を手に入れられ、治療後は硬い物もしっかり噛めるようになります。噛む力を改善することで健康寿命の延伸にもつながります。


多くの歯を失いお悩みの方はこの機会にぜひ、オールオンフォー、インプラントオーバーデンチャーをご検討ください。


噛む力を改善して健康寿命を延ばし、これからの人生を活き活きと楽しみましょう。


高山歯科室
歯科医師
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