名古屋市の栄にある、高山歯科室です。
歯磨き粉の代わりに、重曹で歯磨きをしている方は意外といます。
わざわざ重曹で歯磨きを行う理由は歯が白くなるからといった理由が多いのではないでしょうか？
しかし、詳しく調べずに単に白くなるからと重曹で歯磨きを行なっている方は注意が必要です。
今回は、重曹で歯を磨くメリット、デメリット、そもそも本当に白くなるのか詳しく紹介していきます。
▪️そもそも重曹って口に入れていいの？
重曹を活用して、掃除を行なっている方は多く、イメージ的にはそんなものを口に入れてはダメなのでは？と思われるかもしれませんが、実は重曹はもともと食品添加物として使用されており、大量に摂取しなければ特段身体に害を及ぼす物ではありません。
▪️重曹で歯を磨けば本当に白くなる？
結論からお伝えすると、重曹で歯を磨いても歯は白くなりません！
歯を白くするにはホワイトニング一択です。
重曹で期待できるのは、歯を白くするということではなく、黄ばみなどの着色汚れを除去し、ご自身の元々の白さに戻せるということです。
重曹には非常に高い研磨効果があります。この研磨効果によって歯の表面の着色汚れを除去することができるため、元々のご自身の歯の色に戻すことが可能になります。
市販でホワイトニング歯磨き粉といった商品が売られていますが、これも同じで、ほとんどの場合研磨剤が配合されており、同じ効果が期待でします。
▪️重曹歯磨きによるその他のメリットは？
歯の白さを戻せる以外にも重曹を使った歯磨きのメリットはあります。
それは、虫歯予防や口臭予防、口腔内を清潔に保つことができます。
そもそも虫歯は、口腔内のミュータンス菌が糖分を摂取して酸を出し、この酸で歯が溶けていき、虫歯になります。
しかし重曹はアルカリ性なので、酸に傾いた口腔内を中和してくれ、虫歯のリスクを下げてくれます。
また、口臭の原因も口腔内が酸性に傾くことが大きく関わっており、原因の一つでもあるため、同じ理由で予防に繋げることができます。
研磨効果は着色汚れの除去だけでなく、歯の表面についた汚れもしっかり落としてくれるため、清潔な口腔内が目指せると言えます。
▪️重曹で歯を磨くデメリットはある？
歯の着色汚れが落とせたり、様々な口腔内トラブルの予防に繋がると聞くとメリットばかりと思われるかもしれませんが、もちろんデメリットもあり、正直にお伝えするとこのデメリットがとても大きいものであり、歯科医師としてはお勧めできない要因でもあります。
実は高い研磨効果は歯の表面を削ってしまうことに繋がります。
少し考えてみればわかりますが、研磨とは表面を削って滑らかにするということです。着色汚れと同時に少なからず歯も削れています。
そして、高い研磨は逆に表面を傷つけ、凹凸ができてしまう可能性もあります。重曹で歯を磨き続けていれば、徐々に健康な歯を削り、表面の凹凸もひどくなり、着色汚れを落とすどころか、着色汚れが付着しやすい歯になる恐れもあります。
特にブラッシングの力加減が強い方はその分研磨効果が出やすいので要注意です。
また、重曹をアルカリ性とお伝えしましたが、使用頻度が多かったり、濃度が高かったりすると口腔内が逆にアルカリ性に偏り、アルカリ性に偏ることで歯石が形成されやすくなるといったデメリットもあります。
▪️重曹歯磨きの注意点
先ほどもお伝えしましたが、歯科医師としてはあまりおすすめしません。単に歯の白さを目指しているだけであれば使用を控え、歯科医院に相談しましょう。
歯の黄ばみなどは着色汚れ以外にも加齢や遺伝、薬の作用によって変色している可能性があり、表面を削っても改善しないことも少なくありません。
デメリットを理解した上で、どうしても重曹を使った歯磨きを行いたい場合は、ブラッシングの力加減に注意し、ゴシゴシ磨かないこと、くさび欠損につながらないように歯茎は避け、歯の表面だけ磨くこと、重曹の使用頻度や、濃度もしっかり注意しましょう。
定期的に歯科医院に通い、歯の状況も都度チェックしてもらえる環境にしましょう。