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入れ歯もデジタル(デジタルデンチャー)で作る時代!

古屋市の栄にある、高山歯科室です。

以前にもブログで取り上げましたが、今回は入れ歯のデジタル化について詳しく紹介していきたいと思います。

 

以前のブログはこちちら入れ歯製作の3Dデータによる製作法

 

先日、NHKでも取り上げられた内容ですが、現在では、歯科技工が手作業で入れ歯を作っており、日本だけでなく、年々世界的に歯科技工士の数が減り、平均年齢も高くなっています。

そんな中、日本では高齢化によって入れ歯を必要とする人数に対して、作る側の歯科技工士が足りていないなんてことも起こり始めています。

そこで、入れ歯のデジタル化が今後注目を集め、技術も発展し、作製する側、患者さん側が両方にメリットのあるものになっていくのではないかと思います。

 

▪️現在の入れ歯作製の流れは?



まず、患者さんのご希望になる入れ歯の種類や、お口の中の状況などを詳しく把握するためカウンセリングを行います。その後下記の順番で制作されます。

 

1、口腔内の検査

既に虫歯や歯周病といったお口の中でトラブルが起きている場合もあるため、詳しく検査を行います。トラブルが見つかった際は先に治療を行い、お口の中が健康な状態になってから入れ歯作製に入ります。

 

2、既存トレーを使用し、個人トレーを作製

トレーとは歯茎の形をとる器具です。既存のトレーで大まかな歯茎の形を取り、その歯型をもとに個人に合わせたトレーを作製します。

 

3、個人トレーで歯型を取る

個人トレーで入れ歯を作製するための精密な歯型取りを行い、模型を作製します。

 

4、咬み合わせを確認

上下の咬み合わせを確認できるよう模型を実際に患者さんにはめ、高さを調整し、噛み合わせを決めます。

この噛み合わせ確認が非常に重要な工程となるため、丁寧に確認が行われます。

 

5、試適、調整

歯型取りや咬み合わせの確認で得た資料をもとに仮の入れ歯を作製します。(この段階では既に人工歯が並んだ状態です)完成した後、実際に装着いただき、装着時の違和感や咬み合わせの状況など、違和感がなくなるまで調整を行います。

 

6、入れ歯完成

仮入れ歯を元に、入れ歯が完成したら、再度装着いただき、改めて違和感や咬み合わせの確認を細かく行い、問題があれば調整を行います。

以上、現在行われている一般的な入れ歯の作製工程になります。

 

▪️入れ歯がなかなか合わないといったケースもある



入れ歯作製の流れで咬み合わせ確認が重要とお伝えしましたが、実際、全く違和感なく一発で入れ歯を作製するのは不可能に近いと言えます。

どんなに経験豊富な歯科医師と技工士のもとで作製したとしても35回は調整するのが普通です。

患者さんが違和感なく装着できたと思っても一日使用してみて、やっぱりなんか違和感があるなんてことや、他院で作ったがなかなか合わないから新しく作って欲しいなんて相談も稀にあります。

それほど手作業で行われる入れ歯作製は大変であり、時間のかかる作業になります。

 

▪️入れ歯をデジタルで作製



入れ歯のデジタル化と聞けば、口の中をスキャナーなどでスキャンして、そのデータを元に簡単に作れると想像する方もいるかと思いますが、残念ながらそうではなく、現状は元々作製された入れ歯を機械で読み込み、データ化して複製できるといったものです。

初めて入れ歯を作製する方は、今まで通りのやり方で作製することになります。

しかし、この複製できるといった部分に大きなメリットがあります。

例えば、せっかく自分にあった入れ歯が完成したのに破損してしまった場合や、無くした場合、入れ歯の寿命がきてしまった場合などは、元々の入れ歯をデータ化しておくことで、再度元々あった入れ歯と同等の入れ歯を複製で再現できるといった部分です。

元々ご自身にフィットしていた入れ歯を複製するため、改めて一から作り、何度も調整する必要はなく、患者さん、歯科医院、歯科技工士ともに負担が減るのも事実です。

今後、より技術が発展すれば、デジタルで最初から入れ歯作製が実用化される時代が来るかもしれませね。

現在、当院でも、CAD/CAMでコピーした入れ歯を製作する技術を取り入れています。

少しでも患者さん側の負担が軽減できるよう新しい技術を取り入れ、歯科治療を行なって行きたいと考えています。