骨が大きく足りない方へ ― クーリーテクニックという選択肢
この記事の要点:クーリーテクニックとは、ご自身のあごの骨を小さなブロックで採り、薄い板状にして移植することで、足りない骨を立体的に作り直す骨造成法です。人工材料に頼らず自分の骨で再建するため、大きな骨欠損でも安定した再建を目指せます。
「骨が大きく足りず、人工の骨だけでは難しい」と言われた方へ。ドイツのクーリー教授が確立したクーリーテクニック(スプリットボーンブロック法)は、ご自身の骨を使って立体的にあごの骨を再建する、高度な骨造成法です。名古屋・栄の高山歯科室が、クーリー教授に学んだ術式でご説明します。
クーリーテクニックとは(かんたんに)
クーリーテクニックとは、ご自身のあごの骨を小さなブロックで採り、それを薄い板状にして移植することで、足りない骨を立体的に作り直す骨造成法です。人工の材料に頼らず、自分の骨で再建するのが大きな特徴です。
この方法は、ドイツの口腔外科医フアド・クーリー教授が確立し、学術的には「スプリットボーンブロック法(Split Bone Block)」と呼ばれます。自分の骨(自家骨)は、骨を再生させる力にもっとも優れており、骨移植の基準とされる材料です。
治療の流れ
採取した骨ブロックを薄い板状に分割し、それを「壁」のように立てて空間を作り、その中に砕いた自家骨を詰めます。こうして幅も高さも立体的に再建できるのがこの術式の強みです。再建した骨が安定するまで、数か月の治癒期間を置いてからインプラントを埋め込みます。
- 下あごの奥(下顎枝)から、ご自身の骨を採取します。
- 採った骨ブロックを、薄い板状(ラミナ)に分割します。
- 板を立て、小さなスクリューで固定して空間を作ります。
- すき間に砕いた自家骨を詰めて、骨の再生をうながします。
一般的な骨造成(GBR)との違い
小さな欠損ならGBR(人工骨+保護膜)、大きく難しい欠損ならクーリーテクニック(自家骨)と、骨の不足の程度や部位によって使い分けます。当院では、CTによる精密な診断のうえで、最適な方法をご提案します。
メリットと、知っておきたいこと
主なメリット
- ご自身の骨を使うため、骨を再生させる力が高い
- 幅・高さともに、立体的で大きな再建ができる
- 人工材料への抵抗がある方にも適している
- 他院で「骨が足りない」と断られた難症例でも対応できる可能性がある
知っておきたいこと
- 骨を採取する部位(主に下あごの奥)の処置が必要になります
- 高度な技術を要するため、対応できる歯科医院は限られます
- 再建した骨が安定するまで、数か月の治癒期間が必要です
- 適応できるかは、骨や全身の状態によって異なります
痛みや腫れへの不安が大きい方には、ご希望に応じて静脈内鎮静法(眠っているような状態での手術)も組み合わせられます。
当院がこの術式に対応できる理由
クーリーテクニックは難度が高く、対応できる歯科医院は多くありません。高山歯科室の院長は、2008年にドイツ・ザウアーラント地方オルスベルクにある、インプラント治療・骨造成の世界的権威 フアド・クーリー教授(Prof. Dr. Fouad Khoury)の歯科クリニック「シュロス・シェレンシュタイン(Privatzahnklinik Schloss Schellenstein)」で直接指導を受け、その術式を学びました。歯周病・インプラントを専門とする院長が、CTと3Dデジタルによる精密な診断のもと、安全に配慮した治療を行います。
よくあるご質問
Q. 他院で骨が足りないと断られましたが、受けられますか?
骨が大きく足りないという理由で断られた方でも、クーリーテクニックなどの自家骨移植により治療できる可能性があります。まずは無料相談で状態をうかがい、必要に応じてCT検査で詳しく確認します。
Q. 自分の骨はどこから採るのですか?
主に下あごの奥(下顎枝)など、お口の中から採取します。採取部位や量は、必要な骨の大きさに応じて、事前の検査で計画します。
Q. 手術は痛くありませんか?
麻酔をして行うため、施術中の痛みはほとんど心配いりません。ご希望に応じて、眠っているような状態で受けられる静脈内鎮静法も併用できます。
Q. 治療期間はどのくらいですか?
再建した骨が安定するまで、数か月の治癒期間が必要です。その後インプラントを埋入するため、全体では余裕をもったスケジュールをおすすめしています。
Q. 費用はどのくらいですか?
骨造成やインプラントは自由診療のため、症例によって費用が異なります。無料相談で治療方法・期間・費用をご説明します。歯科ローンのご利用も可能です。
まずは、お話を聞かせてください
「骨が大きく足りないからインプラントは無理」とあきらめる前に、クーリーテクニックという選択肢があることを知っていただけたらと思います。ご相談だけでも、もちろん大丈夫です。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。治療の適応や効果、リスク、期間、費用は、検査結果や患者さんの状態によって異なり、結果を保証するものではありません。自家骨移植には、採取部位の処置に伴う腫れ・痛み・知覚の変化などが生じる可能性があります。実際の診断・治療方針については歯科医師にご相談ください。