- 歯周病で失われた歯周組織(骨・歯ぐきなど)は、再生治療で回復を目指せる場合があります。
- 当院は1994年からメンブレンテクニック・エムドゲイン・リグロスに取り組んでいます。
- リグロスは2016年に保険収載された、日本生まれの歯周組織再生材料です。
- 再生治療は原因菌の除去と環境改善が前提。「抜くしかない」歯にも選択肢があります。
歯周病が進行すると、歯そのものよりも先に、歯を支えている「歯周組織」が壊されていきます。当院は1994年から、この歯周組織を再生させる治療に取り組んできました。
歯周病で失われるのは「歯を支える土台」
歯周組織とは、歯根の表面をおおう歯根膜、歯を支える骨(歯槽骨)、そして歯ぐきのこと。これらが減っていくと、歯はぐらつき、やがて支えきれなくなってしまいます。かつては、こうして失われた組織は元に戻らないと考えられていました。しかし現在では、条件が整えば歯周組織をある程度再生させる治療が可能になっています。
1994年から続く再生治療 ── メンブレンテクニックから
当院が歯周組織再生治療を始めたのは1994年のことです。当時、再生治療の中心となっていたのがメンブレンテクニック(GTR法)でした。骨を再生させたい場所では、放置すると骨より早く増えてくる歯ぐきの組織が入り込み、骨が再生するスペースを奪ってしまいます。そこで、人工骨や骨補填材の上からメンブレンと呼ばれる膜を置きます。この膜が仕切りの役割を果たすことで、骨形成を邪魔する組織の侵入を防ぎ、骨の再生を促します。
エムドゲイン ── 歯が生えてくる過程を応用する
その後、再生治療は大きく進歩します。代表的な材料のひとつがエムドゲインです。炎症が歯ぐきの奥深くまで進み、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周外科手術の際に歯周組織再生誘導材料であるエムドゲインゲルを患部に塗布します。これは、もともと歯が生えてくるときに働くタンパク質を応用したもので、歯周組織が回復しやすい環境をつくり、再生を後押しします。
リグロス ── 日本生まれの再生療法という選択肢
近年では、リグロスという材料も登場しました。リグロスは、有効成分であるトラフェルミン(ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子=bFGF/FGF-2)を含む、組織の再生にかかわる細胞を増やす成長因子を利用した薬剤です。大阪大学を中心とした日本の研究チームによって開発され、2016年に世界で初めて保険に収載された歯周組織再生材料として知られています。
エムドゲインとリグロスは、いずれも歯周組織の再生を助ける材料ですが、特徴や適応はそれぞれ異なります。どの方法が適しているかは、歯周病の進行度や骨の失われ方、お口全体の状態によって変わってきます。当院では、検査の結果をふまえ、患者さん一人ひとりにとって適した方法をご提案しています。
再生治療は「土台づくり」があってこそ
大切なのは、再生治療は単独で成り立つものではないということです。原因となる細菌が残ったままでは、せっかく再生を促しても良い結果につながりにくくなります。だからこそ、検査による原因の把握と、デブライドメント・薬物療法による原因除去が土台になります。お口の環境を整えたうえで再生治療を行うことで、はじめて組織の回復が期待できるのです。
高山歯科室では、1994年以来培ってきた再生治療の経験と、歯周病専門医としての知識をもとに、重度の歯周病の方の治療にも取り組んでいます。「抜くしかない」と言われた方も、再生治療という選択肢があるかもしれません。あきらめる前に、一度ご相談ください。
次回は、下がってしまった歯ぐきを回復させる「歯肉退縮の再生治療」についてご紹介します。
高山歯科室では歯周組織再生治療のご相談を承っています。検査のうえ、適した方法をご提案します。
歯周病の詳しいご案内はこちら → https://takayamadental.com/perio/
よくある質問(FAQ)
高山歯科室 院長:高山 光平(日本歯周病学会 歯周病専門医)
院長・スタッフ紹介 | 医院紹介
公開日:2026-06-29/最終更新:2026-06-29
- 特定非営利活動法人 日本歯周病学会(https://www.perio.jp/)
- 特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会(https://www.jacp.net/)
- 科研製薬「リグロス」製品情報(歯周組織再生剤・トラフェルミン)
高山歯科室
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エムドゲインによる歯周組織再生治療は自費診療です(リグロスは保険適用の再生療法です)。費用の詳細はホームページでご確認ください。
歯周外科手術は、ご希望に応じて静脈内鎮静法(点滴によりリラックスした状態)で受けることもできます。
詳しくはこちら → https://takayamadental.com/perio/
本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。治療の適応や効果には個人差があり、診断・治療方針は診察にもとづきます。