名古屋市の栄にある高山歯科室です。
お口の中の症状や病気の名称で、何が違うの?
とよく質問されるのが、歯周病・歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏の違いです。
口腔内を健康に保とうと考えている方でも似たような言葉で、何が何だかよくわからないといった方は少なくないでしょう。
今回はそんな、「歯周病・歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏」の違いについて解説して行こうと思います。
▪️結論から言って何が違うの?
「歯周病・歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏」は全くの別物といった訳ではなく、すべて歯周病の総称です。
完結に説明すると、“歯周病が進行する過程で起こる症状や段階を表す”とお伝えすればわかりやすいでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
・歯肉炎
歯肉炎は歯茎だけに限定して炎症が起こっている段階で、歯周病の初期段階を指します。
歯茎が赤く腫れ、歯磨きで出血がみられる場合もあります。正しいブラッシングを行うことで、改善が見込める症状になります。
・歯周炎
歯周炎は、上記で述べた歯肉炎が進行した状態です。炎症が歯茎だけにとどまらず、歯根膜、歯槽骨といった歯周組織にまで進行してしまった状態を指します。
さらに歯周炎は軽度、中等度、重度と段階が分かれています。
※「軽度、中等度、重度」について詳しく知りたい方は以前にUPしたブログ
(歯周病が手遅れな症状と段階について)をご確認下さい。
・歯槽膿漏
以前、歯周病は歯槽膿漏と言われていました。現在では研究が進み、段階や症状によって細かく分類されています。ご高齢の方は歯周病より歯槽膿漏の方が聞き慣れた言葉かもしれまん。
歯槽膿漏は、歯周病の中でも症状が最も進んだ状態を指します。
歯周病が最終段階に入ると重度歯周炎と言う段階に入り、歯槽骨は吸収されて歯はぐらつきを始め、膿が溜まって臭いも強烈になります。
文字通り膿が漏れ出す場合もあり、歯槽膿漏と呼ばれます。
歯槽膿漏になると歯を残すことは非常に難しくなると言えます。
▪️今更だけど、そもそも歯周病ってなに?
「歯周病・歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏」似た言葉ばかりで混乱してしまうのも無理はないと思います。
しかし、そこまで深く考えることはなく、段階に応じて言い方が違うだけで、すべて歯周病です。
歯周病は歯周病菌に感染することによって引き起こされる炎症性疾患です。歯周病菌はほとんどの人の口の中に存在しており、人間が持つ常在菌の一つと言われています。
しかし、すべての人が発症するわけではなく、一定の条件が揃わなければ発症することはないのです。
発症する原因はいくつかありますが、最も多いのは日々の口腔ケアを怠ることです。つまり歯磨きです。
もちろん歯磨きを毎日きちんとしていても、正しいブラッシングができていなければ同じです。
十分な歯磨きができていないと、歯垢(プラーク)が歯と歯茎の隙間に溜まっていき、歯周病菌が繁殖を始めます。通常、体の免疫力で撃退しますが、歯周病菌がどんどん増えていくと、やがて免疫力で対抗できなくなり、歯周病を発症します。
歯周病を発症してしまうと、進行するにつれて歯周ポケットが深くなり、歯周ポケット内で歯周病菌の繁殖もどんどん進みます。
歯を支えている骨は溶け、歯はグラつき、やがて抜け落ちてしまいます。
▪️歯周病を予防するには?
大切なのは日々のケアです。正しいブラッシング方法を身につけ、ハブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使用して歯垢除去率を少しでも上げれるよう努力しましょう。
また、ご自身のケアだけに頼らず、定期検診で歯科医師と一緒に予防するようにしましょう。歯垢だけでなく、歯石も歯周病の発症に関わってきます。歯石は専用の器具を使用しない限り除去できません。定期的に歯科医院に通い、歯石を取り除いていくのはもちろん、日々のブラッシングがしっかりできているか定期的にチェックしてもらうようにしましょう。
当院の歯周病治療についてはこちら▶︎▶︎▶︎